英ポンド/円相場は、7月24日の1ポンド=154.05円をピークに、足元では148円台中盤まで値位置を切り下げる展開になっている。イングランド銀行(英中央銀行)のフォワードガイダンス導入に対する警戒感やドル/円相場の軟化を受けて、6月19日以来の安値を更新している。ウィリアム王子の妻、キャサリン妃の男児出産を受けてのポンド高が当面のピークであったことが確認できる。
7月31日~8月1日に金融政策委員会(MPC)が開催されるが、今回の政策変更は行われない見通し。ただ、8月中にはフォワードガイダンスの導入などで低金利政策の長期化見通しが強化される可能性が高いとみており、英金融政策スタンスが明確になるまでは、ポンドを大きく買い進むのは難しい状況になるだろう。「失業率6.5~7.0%まで低下するまでは引き締めは行わない」といった低金利政策と失業率とのリンクが行われる可能性が高く、これを受けて高値膠着気味にある英金利に低下圧力が強まると、ドル/円相場と同様にポンド/円相場も軟化する可能性を想定しておきたい。実際のフォワードガイダンス導入は7日のインフレ報告と同時になる可能性が高いとみているが、MPCでも何らかの示唆が行われる可能性があり、値動きが荒くなる可能性がある。
もっとも、直近1週間のポンド安・円高は、専らドル/円相場の軟化に連動したものであり、米連邦公開市場委員会(FOMC)をきっかけとしてドル高・円安の再開に失敗した以上は、ポンド/円相場の下値不安が払拭できない状況にある。
テクニカルでは一目均衡表の雲を完全に下抜けしており、6月13日安値147円が当面のターゲットになる。サイコロジカルは、前週の5勝7敗から4勝8敗へ。14日RSIは37.18。